2022/11/04 18:08

グラフィックデザインを専攻後に作陶をはじめ、陶芸を学びご自分の窯を築く。

という少し変わった経歴の作家さん。

↑益子のギャラリーにて
毎年GWに開催される益子の陶器祭りが初めての出会いでした。
広い祭り会場のとあるギャラリーにひときわ目を引く素敵なフォルムの一輪差しや器たち。それはほんのり青みがかった青白磁のような色合いで、しっとりと落ち着いたマットな質感、丸みを帯びたやわらかい曲線、そこに施された彫りのうつくしさに一目で惹きつけられました。

この白いシリーズと一緒に並ぶ飴釉のシリーズも素敵で、鎬(しのぎ)によってできる釉薬の濃淡がとっても良い具合に奥行き感を出しています。↓(こちらは光沢のある質感)


この作品の作家さんにどうにかお会いできないかなぁと思いながら祭り会場をあてもなくさ迷っていたところに、若菜さんの作品がたくさん並ぶブースを発見!!思わず仕事を忘れ、少々興奮気味に自分の買い物に夢中になっていました。あれにしようかこれにしようかと悩んでいるとカフェのスタッフさん?かと思わせるカジュアルな姿で接客にきてくださったやさしい雰囲気の方が若菜さんでした。
とても話しやすくてアドバイスを頂きながら吟味していたら気が付くと後ろにはお会計待ちの列が、、、
お邪魔をしてはいけないのでここは早めに退散。後日、商品を注文させて頂くことにしました。


そしてGWから半年、ようやくかまごとに若菜さんの商品が入荷してきました!
マグカップ、小鉢、お茶碗、蓋物、クリーマー、花器etc

ほんのり青いシリーズと飴釉を並べても相性バッチリです。
↓矢羽根彫りマグカップとしのぎのクリーマー。
マグカップはヘリンボーンっぽく今時なデザインで持ち心地も抜群です。
↑左からチューリップマグ、太鎬マグカップ、彫りマグカップ。どれもたっぷり入るサイズです。
↓1点ものの花器。お花を入れなくても置いておきたくなるアンティークっぽいデザイン。
↑精巧に出来た蓋物。手のひらサイズなので大切な小物入れや薬味入れなどにどうぞ。

どのアイテムもろくろでカタチを作った後に一度乾燥させてからヘラで表面を削り、鎬(しのぎ)や矢羽根彫りなどの技法を施します。それは手で一つひとつ削ったとは思えないほどの繊細な美しいライン。このとても手間と時間のかかる彫りという工程を几帳面に丁寧に作られているのが作品を見ているだけで伝わってきます。その均等に刻まれた彫りが醸し出す凛とした佇まいの器や花器を是非ご覧くださいませ。



…余談…
納品時のお話。
届いた段ボール📦を開封してびっくり!無駄な隙間は一つもなく、パズルの様にきっちりと収まっていて、アイテムごとに段ボールの仕切り板できっちり分けられていました。そしてその仕切り板はジャストサイズ!作家さんって器用な方多いですがこのレベルは初でした。この几帳面さがないとこの作品は生まれないなとしみじみ感じたのであります。


陶歴

栃木県栃木市生まれ
1996年 宇都宮文星短期大学美術学科
      グラフィックデザインコース卒業
2003年 デザインの職に就きながら作陶を始める
2009年 文星芸術大学美術学科陶芸専攻卒業
      栃木県真岡市にて築窯、独立
2016年 栃木県栃木市に工房と窯を移す